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産業界、雇用改善へ結束 経済団体トップ、派遣では温度差

 日本経団連の御手洗冨士夫会長、日本商工会議所の岡村正会頭、経済同友会の桜井正光代表幹事の経済3団体トップは6日、東京都千代田区のホテルニューオータニで記者会見し、社会問題化している雇用問題に対応するため、垣根を越えて雇用対策に向けた議論を行う考えを示した。御手洗会長はワークシェアリングを含めた議論の必要性に言及するなど、産業界としても雇用問題に一歩踏み出した形だが、製造業への派遣労働の見直しには温度差も見られた。

 ≪ワークシェアも≫

 会見で御手洗会長は、具体的な雇用維持策として「ワークシェアリング(WS)もひとつの選択肢」と述べた。

 舛添要一厚生労働相が製造業への派遣労働法の見直しを要請したことについては、桜井代表幹事が「製造業を派遣労働法の対象から排除するのは行き過ぎた対応」と反対姿勢を明確にしたほか、岡村会頭も「現在の問題は製造業派遣のセーフティーネットのあり方を考える契機だが、製造業への派遣を単純に否定するものではない」と慎重姿勢。一方、御手洗会長は「(必要があれば)労働政策審議会で見直しの議論をしていけばいい」と議論の必要性を述べるにとどめ、見直しの是非については明言しなかった。

 会見に先立って行われた3団体主催による新年祝賀パーティーでも景気や雇用問題に対する踏み込んだ発言が目立った。

 特に昨秋以降、企業の生産活動に急ブレーキがかかり、後退局面に入った日本経済がさらに冷え込む展開となってきた。こうした中、「早ければ今秋にも回復の兆しが見えてくるかもしれない」(西田厚聡・東芝社長)、「希望的には2009年後半から10年にかけて」(西松遙・日本航空社長)という期待論も聞かれたが、大半は悲観的。「出口の見えない長いトンネルの中」(芳賀義雄・日本製紙グループ本社社長)、「今後2年間は回復しないだろう」(中村邦夫・パナソニック会長)といった意見が目立った。

 景気低迷の打開策については「個人消費が萎縮(いしゅく)しているので国は積極的に内需拡大策を打たないといけない」(鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長)といった内需振興に期待を寄せる声が多かった。

 ≪サービス業シフトを≫

 昨年11月の有効求人倍率は、 0.76倍と4年9カ月ぶりの水準に落ち込むなど、企業は雇用調整を猛烈な勢いで進めている。このため、雇用問題に対する企業トップの関心度は高く、「介護など世の中には人手が不足している分野が多く、雇用のセーフティーネットを講じる余地は大いにある」(三村明夫・新日本製鉄会長)、「政官財一体となって取り組む問題。農業など第一次産業や観光産業も雇用のすそ野として広い。そうした新しい分野に雇用を作るべきだ」(大塚陸毅・JR東日本会長)といった積極発言が相次いだ。

 また、ローソンの新浪剛史社長は「サービス業は逆に人が来なくて苦労している」と現状を打ち明けた上で、「職業訓練を施して製造業からサービス業へシフトさせる必要がある」と提言していた。

 09年に大幅な構造改革が迫られることは必至。M&A(企業の合併・買収)のチャンスが大いにあると予測する三井物産の槍田松瑩社長は「選球眼が必要」と強調。新日鉄の宗岡正二社長は「これまでフル生産のため手がけられなかったことへ積極的に資源を投入していく」と逆境を前向きにとらえていた。

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